2012年3月13日火曜日

カルシウムイメージング+二光子励起3

論文タイトル

Difference in Binocularity and Ocular Dominance Plasticity between GABAergic and Excitatory Cortical Neurons

URL

http://www.jneurosci.org/cgi/content/abstract/30/4/1551

執筆者

Katsuro Kameyama, Kazuhiro Sohya, Teppei Ebina, Atsuo Fukuda, Yuchio Yanagawa, and Tadaharu Tsumoto

キーワード

GABAergic neuron, glutamatergic neuron, binocularity, critical period, plasticity, two-photon functional Ca2+ imaging

要約(日本語)

two-photon imagingを使った2010年の理研の研究.蛍光タンパク質によってGABAニューロン,グルタミンニューロン,アストロサイトを色によって識別可能にした遺伝子改変マウスの大脳新皮質2/3層を,in vivoで二光子励起顕微鏡を用いて観察した.臨界期にあるマウスと臨界期を終えたマウスで,片眼を塞いだ状態と両眼が使える状態で視覚刺激に対する各ニューロンの反応変化を蛍光発色の密度で測定・比較した.比較には片眼に対する第一視覚野の左右(眼と同じ側か反対側か)の反応傾向に着目した.その結果,GABA作動性ニューロンの方が視覚刺激に対する反応の左右傾向が小さいことが示唆された.また,臨界期が終わった後でも片眼を塞いだ場合,グルタミン作動性ニューロンは変化よりも,GABA作動性ニューロンの方が変化することが示唆された.ちなみに,臨界期においてはどちらのニューロンも変化することが確認された.
また,KameyamaらはGAD67-GFPノックインマウスのGABAニューロンが野生型よりも少ないこと示唆し,VGAT-Venusノックインマウスを用いた場合はGABAニューロンの減少がなくなることを確認しこちらを採用した.

要約(英語)

批評(日本語)

実験デザインがよく考えられていて,分析も細かく行っている印象を受けた.使用した遺伝子改変マウス,臨界期の前後でのニューロン反応特性の違いは反証し難い.
しかし,著者も述べていたが,神経細胞同士の,特に興奮性と抑制性の,ニューロンの相互作用についての考察があまりされておらず,臨界期後の反応特性の変化がそれぞれの細胞単独で起こるのか,それとも相互作用で起こるのかよく分からなかった.
また,分析方法でODIの分布に関して,ODIの濃度分布は差がなく累積分布にすると差があった,としているが濃度分布でも十分差があるように見える.恐らく,累積分布にしなくても興奮性,抑制性各分布の分散に着目して分析を行えば同じような結果が現れたのではないだろうか.

批評(英語)

感想

やはり2/3層より深層は今の二光子励起法では覗けないようだ.でもって,蛍光色感知の分解能もシナプス単位では見れないようだ.まだまだ改善の余地はありそう.もしくは,別のアプローチから考えた方がもっと高い分解能で( または深層で)データを取れるのだろうか.
当たり前なのだけれど改めて,やはり生物実験というのはあらゆるノイズを考えてその影響を排除できるような実験計画を立てなければいけない,ということを学んだ.

bibtex

@article{kameyama2010difference, title={{Difference in Binocularity and Ocular Dominance Plasticity between GABAergic and Excitatory Cortical Neurons}}, author={Kameyama, K. and Sohya, K. and Ebina, T. and Fukuda, A. and Yanagawa, Y. and Tsumoto, T.}, journal={Journal of Neuroscience}, volume={30}, number={4}, pages={1551}, year={2010}, publisher={Soc Neuroscience} }

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