2012年3月13日火曜日

多細胞同時記録法2

論文タイトル

多細胞同時記録実験の必要性と方法-現状と問題点-

URL

http://www.jnns.org/niss/1999/text/sakurai.pdf

執筆者

櫻井芳雄

キーワード

動的神経回路,セルアセンブリ,多細胞同時記録,電極,操作,データ

要約(日本語)

現在の神経科学研究の多くは,whereとwhat(ときどきwhen)が圧倒的に多くて, howに関する研究が少ない.つまり,記憶を例にとると,脳のどの部位が関わっているか,どんな伝達物質が関わっているかという報告ばかりが多く,どうやって信号処理を行っているかという研究はほとんどない.これでは,脳の高度な情報処理の仕組みは何もわからない.そのためには神経回路を構成するニューロンの動態を計測してそれぞれのニューロン同士の相互作用を意識しながら解析していくことが重要である.
脳内の情報基本コードの位置づけとして2つの考え方がある.単一ニューロンの活動が基本コードであるという考えと,複数ニューロン集団の活動が基本コードという考えである.櫻井は単一ニューロンを基本単位とする考えの問題点を挙げて脳内基本コードは複数ニューロン集団の活動とした.
多細胞同時記録法の基本技術として,記録電極の作製と選定,電極の配列と操作,データの取り込みの3つを挙げた.多細胞同時に用いる記録電極は先端を特殊に加工しなければならない.それには自作の他に,企業が生産した物を買う方法がある.電極は埋め込んで固定する方法と,操作装置を設置して可動にする場合を実験方法によって選別しなければならない.データを取り込む際,この方法だと多くの細胞の活動データが一つの電極に同時に記録されるため,テンプレートマッチングやウェーブマッチングなどを用いて信号をニューロンごとに分離しなければならない.また,それには時間がかかるため,データの収集と解析を同時に行わなければならないような実験方法には適さない.また,細胞同士の相互関係を解析する方法も未だに確立していない.
技術の進歩によってより多くのニューロンの活動を同時に記録する方法は進歩している.しかし,大事なのはそれらのデータから適切な仮説を立てる理論的枠組みと理論の構築である.

要約(英語)

批評(日本語)

複数ニューロン集団を基本コードとした場合の問題点はないのか.また,一つの電極に複数のニューロンのデータが混ざったときの分離方法が雑な気がした.テンプレートマッチングやウェーブマッチングをよく調べた訳ではないのでわからないが,ニューロンと電極の位置関係によって複数のニューロンの活動が一つのニューロンの活動のようになることがあるのではないだろうか.

批評(英語)

感想

はじめに、目的には大共感!whatやwhereだけでは情報処理の仕組みは全く解らない.howを知る為にはいままでとは違った解析方法やデータが必要になる.
また,明らかに研究室でしか使わないような電極や解析ソフトを制作している会社がある,ということが収穫になった.

bibtex

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